8月28日、文部科学省が令和9年度の「概算要求」を公表しました。概算要求とは、各省庁が「来年度はこれだけの予算がほしい」と財務省に出す要求書のことです。ここから査定を経て、12月に政府案が固まります。
つまり今は、国の施策の方向が最初に見える時期であり、同時に市が来年度予算の準備を始める時期でもあります。国の補助メニューは、市が手を挙げなければ使えません。
そして宍粟市の場合、もうひとつ理由があります。部活動の地域展開が、令和10年10月というはっきりした期限を持って進んでいること。私はこの1年、推進委員会や中学生座談会、認定クラブ募集説明会、保護者説明会にも足を運んできました。そこで聞いた課題と、国が来年度つけようとしている予算を、突き合わせて読んでみます。

部活動の地域展開 ― 国の予算と市の検討
155億円(前年度57億円+令和7年度補正82億円)
まず、宍粟市の現在地
説明会等で市が示している内容を整理します。
- 令和10年10月をめどに地域展開完了。
- 背景は少子化。令和20年度には市内の中学生が現在の半分以下になる見込み。
- 先行実証として、剣道・カヌー・男子バレーボール、文化芸術では吹奏楽・美術がすでに活動中
- 市認定地域クラブの第1次募集が7月1日〜9月30日。第2次募集は不足種目を絞って指定募集型でも実施予定
- 令和9年1月中旬〜2月上旬の各中学校の入学説明会で、選択できるクラブ一覧を提示する予定
- 10月上旬から市内7カ所でタウンミーティング(テーマ:部活動地域展開)
認定クラブの要件も定まっています。選抜・入部テストは禁止(希望する生徒を断れない)、活動時間は平日2時間・休日3時間・週11時間以内で週2日以上の休み、指導者2名以上で市の研修受講が必須、参加者・指導者全員の保険加入、規約と会計処理、そして学校との情報共有。
参加費は、国の目安である「週1回・月4回で約3,000円」を参考に各クラブが設定することになります。
移動手段は「実証」までしか書かれていない
概算要求を読んで、まず目に留まったのは「平日も含めた地域展開の加速化のための重点課題等への対応」という項目でした。ここに「平日放課後の地域クラブ活動等への移動手段の確保」が明記され、国の定額補助(10/10)、市の持ち出しなしで取り組める枠になっています。
ただ、よく読むと条件がついています。この項目には「実証事業を実施」と書かれています。
実現可能な活動の在り方や課題への対応策を検証するための事業であって、恒久的に運行費を持つという趣旨ではありません。
(1)部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進 ③推進体制の整備等 コーディネーターの配置、人材バンクの設置・運用、指導者研修、移動手段確保 等 補助割合:国1/3・都道府県1/3・市区町村1/3
とあります。
この概要資料を読む限り未確定の部分が多そうです。(引き続き調べます)
移動は、どの場でも最初に挙がってきた課題でした。認定クラブ募集説明会での市の回答は「原則は自転車・保護者送迎。ただし広域な地域事情を踏まえ、公共交通・スクールバス活用も検討中」。としています。
そして昨年10月の中学生座談会で、生徒たち自身が
「送迎バスを出してほしい」 「活動場所は近い方がいい」 「月謝は生徒が払いやすい価格にしてほしい」 「日が暮れる前に帰れる時間にしてほしい」
と言っていました。
宍粟市には鉄道がなく、路線バスの減便で交通空白地域が広がっています。送迎できる家庭の子だけが続けられるという状態になれば、地域で格差を生みかねなく、これは子どもの権利の問題にもつながると感じます。
参加費用のこと
学校の部活動では、費用は基本的に学校の枠組みの中にありました。地域クラブに移れば、参加費として家計に直接かかります。月3,000円程度でも、きょうだいが複数いれば重なります。
ユニホームも揃えようと思えば結構な金額になりますよね💦
指導者と、備品
人材登録バンク(サポートスタッフ登録・紹介制度)が開設されますが、指導者不足が最大の課題であることは市も認めています。
そのため、その地域クラブをサポートしてくれるスタッフを募集しています。
簡単な見守り程度なら協力できる!って方いらっしゃいましたらぜひ登録をお願いいたします。


話は戻しますが
備品は原則として地域クラブに引き継ぐ方針で、楽器も学校所有のものを継続使用。ただし高額備品への補助金メニューは現在制度設計中だそうです。
なお国の要求には「地域における新たなスポーツ環境の構築等」(3億円)として、用具保管の倉庫やスマートロック設置に伴う扉の改修への支援も挙がっています。市が令和9年度から進める暗証番号キーボックスの設置と、重なる部分です。
これから私が気になるポイントは
- 令和9年度に、平日の移動手段確保の実証事業(国10/10)へ手を挙げる考えはあるか。
- 実証の期間が終わった後、移動手段をどの財源で維持する想定か。
- 困窮世帯への参加費支援(国1/2)を令和9年度に予算化する考えはあるか
- 地域クラブ向け活動補助金の制度設計は、いつ示されるのか
- 第1次募集(9月30日締切)の結果、種目・エリアにどれだけ空白が残ったか
他にも、細々色々ありますので、また委員会等を通じて確認していきたいです。